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矯正治療が必要な歯並び(不正咬合)

不正咬合を放置するリスク

不正咬合を放置するリスク不正咬合を放置することは、見た目の問題だけでなく、健康面でも多くのリスクを抱えることになります。まず、歯並びが悪いことで歯磨きが難しくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。これにより、30歳から50歳台にかけて歯を次々と失い、最終的には入れ歯が必要になる可能性があります。
また、不正咬合は顎の疲労や肩こりの原因となり、さらに歯周病が進行することで糖尿病や消化器系疾患などの全身疾患にも影響を及ぼすことが報告されています。心理面でも、思春期や青春期に歯並びを気にして笑顔を作れないことが自己評価に影響を与え、社会生活にも支障をきたすことがあります。これらのリスクを避けるためには、早期の矯正治療が重要です。

矯正治療が必要な歯並び(不正咬合)

叢生(八重歯やガチャガチャしてる歯並び)

叢生(そうせい)叢生とは、歯がデコボコに並んでいる状態を指し、八重歯や乱ぐい歯も含まれます。
主な原因は顎のサイズと歯のサイズの不均衡で、顎が小さかったり歯が大きかったりするために、歯が正しく並ぶスペースが不足することです。結果として、歯が重なったりねじれたりして生えてきます。
この状態は見た目に影響するだけでなく、歯ブラシが届きにくいためむし歯や歯周病のリスクが高まります。また、しっかりと噛めないことで消化不良などの問題も生じる可能性があります。

下顎前突(受け口)

下顎前突下顎前突とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指し、受け口や反対咬合とも呼ばれます。この状態は、下顎が過度に発達しているか、上顎が十分に発達していないことが原因で生じることがあります。また、歯の傾斜によっても下顎前突が発生することがあります。
下顎が前に出ていることで、顔全体がしゃくれて長く見えるなどの見た目に影響を及ぼすほか、「うまく噛めない」「発音しにくい」といった機能的な問題も引き起こします。これらの問題は、コンプレックスの原因となり、心理的な影響も及ぼすことがあります。

上顎前突(出っ歯)

上顎前突上顎前突は、前歯が通常よりも前に突出している状態を指し、一般的に「出っ歯」と呼ばれます。これは、叢生(歯の重なりや乱れ)に次いで頻繁に見られる不正咬合の一種です。上顎前突の主な原因としては、上顎と下顎の成長のアンバランスによる骨格的な問題、または指しゃぶりや下唇をかむ癖などが挙げられます。
矯正治療によって改善可能ですが、原因となる癖がある場合、その癖を取り除くことも治療の一環として重要です。
上顎前突は、顔のバランスに影響を与え、見た目の印象を大きく左右します。前歯が前方に突出することで、笑った時や話している時に歯が目立ちやすくなります。

過蓋咬合(噛み合わせが深い)

過蓋咬合過蓋咬合は、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯を完全に覆ってしまう状態を指し、「ディープバイト」とも呼ばれます。原因として、上顎の過成長や前歯の過剰な伸び、奥歯の喪失による噛み合わせの高さ不足などが挙げられます。この状態は、骨格的な要因や歯そのものの問題によって引き起こされることがあります。
過蓋咬合は、見た目に影響を与えるだけでなく、機能的な問題も引き起こします。下の前歯が上の前歯の裏側に当たるため、歯茎に痛みを感じることがあります。この状態を放置すると、歯茎や骨の吸収が進行する可能性があります。また、過蓋咬合は顎関節に過度の負担をかけ、顎関節症を引き起こすリスクがあります。

開咬(前歯が噛み合わない)

開咬開咬(かいこう)は、奥歯は噛み合うのに前歯が噛み合わない状態を指し、「オープンバイト」とも呼ばれます。開咬の原因には、先天的な要因と後天的な要因があり、指しゃぶり、口呼吸、舌癖などが影響します。特に、成長期における呼吸器疾患が口呼吸を引き起こし、それが開咬の一因となることがあります。
開咬は、噛み合わせの不均衡により奥歯に過度な負担をかけ、顎関節症を引き起こすリスクがあります。また、見た目に問題があり、発音が不明瞭になりやすいほか、口が乾燥しやすくむし歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、口呼吸が原因で風邪やインフルエンザに感染しやすくなることもあります。

空隙歯列

空隙歯列空隙歯列(くうげきしれつ)は、いわゆる「すきっ歯」の状態を指し、歯と歯の隙間が大きく目立ちます。空隙歯列の原因には、顎の大きさに対して歯が小さい、先天的に歯の本数が少ないなどの生まれつきの要因があります。
また、舌癖や骨格に影響を及ぼす習慣も後天的な原因となります。過剰歯の影響や上唇小帯の発達も原因となることがあります。空隙歯列は、歯と歯の隙間に汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。見た目にも影響し、コンプレックスを感じる人も多いです。早期の矯正治療によって、健康的で美しい歯並びを取り戻すことが重要です。

口ゴボ(上下顎前突)

矯正で口ゴボが悪化してしまった口ゴボは、上下顎前突(じょうがくぜんとつ)の一種で、特に唇が前方に突出している状態を指します。横から見ると、唇が鼻の先端と同じ高さか、それ以上に前に出ていることが特徴です。主な原因は出っ歯であり、前歯が唇を押し上げているため、口を閉じている時でも唇が突出して見えます。この状態は、見た目に対するコンプレックスを引き起こし、人前で手で口を隠したり、笑顔を控えたりすることが多くなります。
また、口が自然と開きやすくなるため、口腔内の乾燥や唾液の減少が進み、むし歯や歯周病のリスクが高まります。矯正治療を通じて、口ゴボを改善し、自然で健康的な口元を取り戻すことが可能です。

矯正治療では歯並び以外も改善されることがあります

横顔(Eライン)

横顔の美しさを示す「Eライン」美しい横顔を形成する要素として「Eライン」があります。これは、横から見たときに鼻先、唇、顎先を結ぶ直線で、理想的には唇がこのラインに軽く触れるか、少し内側に入っている状態が美しいとされています。しかし、出っ歯や受け口などの不正咬合があると、このバランスが崩れ、Eラインが乱れます。矯正治療を行うことで、歯並びが整い、理想的なEラインに近づくことで、横顔の美しさが向上します。

横顔(Eライン)を考えた矯正治療

スマイルライン

スマイルライン笑ったときに見える上の歯の先端が描く曲線を「スマイルライン」と呼びます。このラインが下唇に沿って美しいカーブを描いていると、清潔感と好印象を与えます。
矯正治療を通じて歯並びを整え、スマイルラインが美しくなることで、笑顔がより魅力的になり、日常生活やビジネスシーンでの印象が良くなります。

エラの改善

エラの改善エラの張りに悩む人は多いですが、その原因には骨格的な要因と、噛み合わせの悪さからくる咬筋の過剰発達があります。噛み合わせが原因の場合、矯正治療によって改善が期待できます。矯正治療により噛み合わせが正常になると、咬筋への負担が減り、エラの張りが徐々に解消されることが期待されます。

口腔内の健康が向上

矯正治療を受けることで、歯並びが整い、噛み合わせが改善されるため、口元の健康が向上します。歯が正しく並ぶことで歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが減少します。さらに、正しい噛み合わせによって食べ物を効率よく噛むことができ、消化が良くなるため、全身の健康にも良い影響を与えます。

発音が改善

矯正治療によって歯並びが整うと、発音が明瞭になります。特に、前歯の位置が正しくなることで、発音に影響を与える音(例えば「サ行」や「タ行」)がクリアになります。これは、言葉を正確に伝える能力が向上し、コミュニケーションがスムーズになることを意味します。